私はサイモンフレーザー大学で、現在の競争社会がもたらしている過剰なライフスタイルがさまざまな社会問題を生み出しているという理論を研究しています。
例えば受験。本来教育は青少年が自分の長所を活かしながら社会の一員として活躍するための準備をするためのものです。
ただ残念ながら、現在の日本の教育機関は競争の概念が加速してしまい、いじめや不登校、先生も過労が原因の心労もあるという状態。父兄の間でもいじめがあるということです。全ての学校ではないと思いますが、割合として問題は増えている傾向にあります。
カナダの教育機関は地域社会に必要な人材を育成するという大義名分がはっきりしています。従って、地域の企業と学校、大学が連携して青少年の育成を行っています。また、小学校、中学、高校ではハワードガードナーの多重知性の理論がいれてあり、人それぞれが自分の才能を伸ばし、それを認めるシステムになっています。
カナダの心理学におけるとても大事なコンセプトの一つに、Unconditional Loveという言葉があります。
ありのままを愛するという意味です。
残念ながら今の日本の社会は、人に認められるとか愛されるためには、条件がつくようになってしまいました。
などです。
戦後、日本はすごい勢いで高度成長期を乗り切りました。その時代を生き抜いた方々の強さはすごいと思います。その方々のおかげで今の私たちの生活があります。あまりに孤独な生活をしているから今の若い人たちは自分が生きられていることが周りの支えのおかげであることさえ学ぶ機会がありません。
それにともない、競争の概念が共存の概念より社会で大事になってしまったように思います。
もう一度日本にバランスを取り戻すためにまずしないといけないことは、「共存」の考え方を再度日本に導入することだと思います。
そしてもっともっと、お互いを認め合って、尊重しあって、思いやりを持ちあうことが大切です。