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美和からの手紙 第2章 サンシャインプロジェクトを開始してから今

視覚障害者の留学プログラム、「風の詩プログラム」発足を目指して

吉岡久美さんとの出会いから学んだこと

彼女との出会いは2004年、留学サポートをする生徒さんとして知り合った事がきっかけでしたが、今では彼女をウエストコーストのホームページで、スタッフの一員として紹介させてもらっています。いつか実現したい、風の詩プログラムという、視覚障害の方の留学プログラムの相談員としてです。

目の不自由な方と親しくさせて頂いたのはこれが初めてでした。最初、どうやって接したらいいのか分からなくて、少々緊張しながらの出会いでした。

ただ、久美さんを知っている方はみな共感すると思いますが、彼女の笑顔と人柄で、会った瞬間に気持ちが楽になりました。お話させてもらった瞬間、素敵な方だと感動したのを覚えています。きっと私になんか想像できない苦労があると思いますが、彼女の心はやさしくて、発する一言一言が天からのメッセージみたいでした。冗談も上手いし、社会福祉や心理学についても知識が豊富。とにかく頭のいい方だというのが一番の印象でした。

ただ、そんな最初の出会いから14ヶ月、楽しい事も、辛いことも、悔しいこともいっしょに経験することになろうとは思ってもいませんでした。留学サポートのお仕事をさせて頂き、サポートさせて頂いた方の数は2000人近くなると思います。

留学サポートをしているなかで、何度も自信をなくしたり、悔しい思いをしたり、感動したことがありましたが、彼女との出会いがその中でも最も強い思い出として残っています。

久美さんの留学サポートの苦労と思い出

最初久美さんは日本の留学センターで手続きをされていらして、私のことは日本でのボランテイア先のご紹介で、あくまで何か困ったことがあったらよろしく、という程度でご連絡を頂いていました。基本的に通学する学校はすでに1年お申し込みをして学費も納金済。必要なサポートも受けられるという内容でした。

ところが、留学開始から1ヶ月で特別サポートが打ちきられてしまいました。学校側は出来る範囲で協力するといったまでで、予想より大変なのでこれ以上は無理ですとのこと。日本の留学センターの契約なので学費も戻ってこないといいます。私も私のセンターを経由してのお申し込みではないので、文句をいう権利もなく、ただただ学校に交渉を試みました。が、結果は返金0。一年分の学費を払っていらしたとのこと。自分の無力を痛感したのを覚えています。

日本のお父様に、起こったことを伝え、自分の力不足を謝罪しました。すぐに娘を帰してくださいと言われると思っていました。

ところが、ここが久美さんのお父さんのすごいところ。

「美和さん、お金のことはしょうがないです。もう娘がいく学校がないというなら日本に帰して下さい。でも、もし娘が留学を続けられるならなんとか協力してもらえないでしょうか?お金はなんとかします」

すごい。その一言しか自分の頭に出てこなかったと思います。人間の器ってすごいなって思いました。

そこから先はひっちゃきになって、学校との交渉になりました。州立大学で聴覚障害を持っていらっしゃる方といっしょに勉強したことがありました。なので、州立大学ならと思い交渉開始。

ところが、カナダ人だったらそのサービスが受けられるけど、留学生だと難しいとの返答になってしまいました。最初は許可をもらっていたのに通学する直前で断られてしまいました。そこでまた久美さんに謝罪。すごく申し訳なくて泣いてしまいました。その時、久美さんがいっしょに泣きながらいろいろなお話をしてくれました。

視覚障害を持っている子供は親御さんも見捨ててしまうケースもあると。そういった施設ではみんな寄り添って座っているとのことでした。
将来の仕事の選択肢も限られているとのこと。

久美さんはよく、なんとか形に出来たらという言葉を使っていました。彼女のがんばりは彼女自身のためだけでなく、今までであった後輩、他の人のためでもあるんだと分かりました。
今、久美さんと出会って5年の月日が立ちました。なかなか風の詩プログラムができないなって反省していながら、ある方からお問い合わせを頂きました。2011年一人視覚に障害がある方が留学されることになりました。

もしかしたら将来的に医療で回復するかもしれないけれど、今の段階では分かりません。もう神様がなかなか風の詩プログラムができない私にしびれを切らして学生さんを送ってきた気がします。
こういった学生の方のサポートをさせて頂く時は、もう全力投球です。久美さんのサポートをさせて頂いた時より、もともっと私も学校提携の数も増えているし、スタッフの人とも仲良くさせてもらっているので選択肢は提供できるって信じて。

たくさんのカナダの美しい景色をみてもらって、たくさんの素敵な出会いをしてもらって、たくさんカナダのバリアフリーな社会を理解してもらって、これからの将来に役立ててもらえたらって思います。

自分の生まれた環境、境遇はもうどうしようもないことがたくさんあります。学生のみなさんのお話をきいていてとても悲しい、切ないこともたくさんあります。

本当の幸せってなんだろうって思います。
きっとそれは人によって違うと思います。
みなさんにとって幸せはどんなことですか?
そんなのはないですって言う人もいると思います。

そういう時は、幸な人にお話をきいてみるのもいいと思います。芸術に触れることも、自然の中で自分をいやす事も、人とお話をすることも役立ちます。

ちょっとした気づきや、きっかけから、
みなさんにとっての幸せ探しをしてみてください。

多分、久美さんと私にとっては、少しでも社会が色々な人にとってハッピーな環境になることかなって思います。

(美和のブログからの抜粋)

彼女と出会って、1ヵ月半が経ちました。
いっしょに、パブにいった。
いっしょに、ダンスをした。
いっしょに、コーヒーを飲んだ。
いっしょに、心理学について語りあった。
いっしょに、名古屋の土手鍋とキムチ鍋を食べた。
いっしょに、冗談を言って笑った。
いっしょに、K君という楽しい友達のうわさ話をした。
いっしょに、今まで生きてきてつらかった出来事を話した。

先日ある学校へ見学にいったとき、二人で車の中で色々とおしゃべりをしていた時、気づいたこと。

彼女は私にたくさん、素敵なことを教えてくれている。私は彼女と会えてとてもよかったと思う。私は彼女の笑顔が好き。

そして、これからも仲良いお友達になれたらいいなって思う。いっしょになにかできるかも知れない予感がする。

人はそれぞれ持って生まれたものがある。お互いのよさを生かして、なにかをする時、感動があることが分かった。

美和

(美和のブログからの抜粋)

彼女の強さは、きっと自分だけのためじゃないですね。
他の子供達のためにも、なにか道をつくって行きたいんだなって思いました。
いつも、何かカナダで形に出来たらって言うのが彼女の口癖でした。
人はね、自分だけのためだと強くなれなかったりするんじゃないかなって思います。

誰か、愛する人のためとか、目的のために強くなれると思います。取り合えず、私はそうです。いっしょにお見送りにいって涙した親友が、お昼 飲茶を食べながら、私に大切なことを伝えてくれました。

「ねー、みわさん、ウエストコーストで知り合った人達と交流している時とか、ウエストコーストにいる時って、視覚障害を気にしないでよかったって言ってたよ」

このメッセージは、ウエストコーストつながりや他にカナダで出会った彼女の友達の心のつながりを物語っていますね。素敵です。もし、彼女がこのブログを読んでいたとして伝えたいのは、わたしにとってあなたとの友情はかけがえのないものです。わたしとあなたは女性として、社会貢献を目指すものとして、笑ったり、感動したり、勉強したり、考えたりと深い心のつながりが出来た気がして嬉しく思っています。

そして、わたし達は、一つ約束をしたことがあります。

出来るか分からないけど、
新しいプロジェクトを開発してみようってね。風の詩プログラムです。視覚障害の方にも留学を楽しんでもらえたらと。ウエストコーストは社会貢献する働きをするために生まれた組織です。バンクーバーにある地味な組織です。

他にもやらないといけないことがいっぱいあるので、きっと最初は、ちっちゃなちっちゃなプロジェクトですが、やらせていただくことを光栄に思うプロジェクトです。出来るといいなって思います。

美和からの手紙 第2章 サンシャインプロジェクトを開始してから今

美和が大学で学んだ社会問題についての研究&留学体験記