カナダ人の文化は「社会自立」を大切にします。
ですので、本当に小さい頃から、道でジュースを売ったり、新聞配達をしたり、子守りをしたり、家事を手伝ったりして、自分で稼ぐ・自分で生きるということを自然と学んでいるんですね。
中学校ぐらいからは、近くのファーストフード店、ピザ屋、パン屋さんなどでアルバイトして、他の人と仕事をすることを早いうちから身につけます。
実際の仕事を通して社会に参加することで、小さい頃から社会人としての人間力の強化と社会的自立を促しているんですよ。
さらに、ほとんどのカナダ人の学生は、自分で学費を出すか、学生ローンと呼ばれる、国の奨学金制度を使って大学などに進学します。ですから、大学に通学していない時間帯は、レストランで仕事をしたり、ペンキ塗りをしたりして学費や生活費の足しにしていくんです。
仕事と勉強の両立、自分の働いたお金で学校に行くということにおいても、自分の将来に役立つ知識、教養へはとても貪欲ですし、学校の重要性、学ぶことの重要性を肌で実感しています。
また大学では、教授が生徒の評価をするのはもちろんですが、学生も各学期終了時に教授の評価を行います。学生の教育・教養・資格に対しての取り組みはとても貴重で、最も大事なものという扱いを受けています。
このように、カナダは自立を大切にしている国なので、一般的な炊事・洗濯は自分でもちろんできますし、若い頃から社会活動を行っているので、全員が何かしら生きていく強さを持っていると感じます。
人間が実社会で生活していくには、受験のための勉強、机の上でやる勉強ができるだけでは足りません。色々な人々と接触しながら対人力を学び、仕事や他人との交流や数々の失敗を通して、それを解決できるだけの力を養うことが大切です。
そういう考えからか、カナダではあまり細かいところまで指図や口出しはしません。子供が失敗をして何かを学ぶチャンスを与えます。そして、それをじっと見守ります。自分の力で伸びていくことができることを信頼しているからですね。
ですから、そのように育った人たちは皆、自分で大学の資金を作り、自ら学びたいことを学び、一人ひとり自立した個人として社会を形成していくようになっていくのだと思います。